屋久島 女子ひとり冒険記
Day1
福岡から「水の島」屋久島へ
準備と島巡り
旅の始まり
九州新幹線みずほ
わたしは福岡・博多駅から旅をスタートしました。
春の暖かさが見え始める3月末でした。
屋久島へのアクセスは飛行機が一般的ですが、あえて「新幹線+高速船」のルートを選びました。
理由は、少しずつ景色が変わっていく様子を楽しみながら、じわじわと旅の気分を高めたかったからです。
朝一番の「みずほ」に乗り込み、鹿児島中央駅へ。
わずか1時間20分ほどで鹿児島に到着します。
車内では、屋久島のガイドブックを読み返しながら、明日のトレッキングに備えて高エネルギーの軽食を摂りました。
鹿児島中央駅からは、バスで「鹿児島本港(高速船ターミナル)」へ移動します。
時間に余裕があったのでわたしは徒歩で向かいました!
1時間近くかかりますが、歩くのが大好きなので、鹿児島の景色を楽しみながらワクワクでした!
タクシーなら15分程度、1,500円前後で行けるので、タクシーがおすすめです。
高速船
トッピー・ロケット
ターミナルに到着したら、予約していた高速船のチケットを受け取ります。
屋久島行きの船は非常に人気なので、事前予約は必須です。

船に乗り込むと、意外にも揺れは少なく快適。
窓の外には桜島が雄大にそびえ立ち、次第に指宿の山々が遠ざかっていきます。
約2時間後、海の色が深い紺色から、透き通るようなエメラルドグリーンに変わる頃、ついに屋久島のシルエットが姿を現しました。
「あそこが、神様の住む島……」
山頂が厚い雲に覆われた険しい山々が海から直接突き出しているような、独特の景観。
港に降り立った瞬間、湿り気を帯びた濃密な森の香りが鼻をくすぐりました。
トレッキング準備
レンタカーとレンタル用品
わたしは安房港に到着しました。
港に着いたら、まずは近くのカフェで休憩です笑
港から歩いて15分くらいのカフェ「Smiley」さんにお邪魔しました。


屋久島の海が眺められる席で、コーヒーとサンドイッチをいただきました。
次に港近くに戻り、予約していたレンタカーをピックアップ。
屋久島は一周約100km。
バス便は限られているため、時間を自由に使えるレンタカーはひとり旅の必須アイテムです。
最初に向かったのは、登山用品のレンタルショップです。
「登山靴なんて持っていないし、一度きりかもしれないのに買うのはもったいない……」
そんな私のような初心者でも安心です。
屋久島には数多くのレンタルショップがあり、最新のゴアテックスウェアやしっかりした登山靴をフルセットで借りることができます。
店員さんに「明日は縄文杉ですよね?」と聞かれ、サイズの微調整をしてもらいました。
厚手の靴下を履いた状態でのフィット感、ザックの背負い方、ストックの使い方まで丁寧にレクチャーを受け、不安が少しずつ「やる気」に変わっていきます。
エネルギーを感じる
ドライブと、思い出の宿
準備が整ったら、少しだけ島をドライブしました。
「いなか浜」の白い砂浜を眺め、波の音を聞きながら深呼吸。
屋久島は「ひと月に35日雨が降る」と言われるほど水が豊かな島。
至るところに滝があり、車を走らせるだけでマイナスイオンを全身に浴びている気分になります。

宿泊先は、「旅人の宿 まんまる」さん。
小学生の時にも泊まった宿で、夕食で食べた鯛のまるまる大きな塩焼きが忘れられず、記憶を頼りに探し当てました!
現在は夕食のサービスは行っていないようで、近くの飲食店で、屋久島名物の「首折れサバ」のお刺身や、トびウオの唐揚げをいただきました。
新鮮な海の幸は、明日への大きな活力になります。
宿には海が見える貸切お風呂があり、ゆっくりできます。
翌朝の出発時間に備え、静寂に包まれた島の夜、遠くで聞こえる波の音を子守歌に、深い眠りにつきました。
Day2
往復22kmの試練と感動
縄文杉への道
深夜4時の出発
朝4時。
まだ星が輝く暗闇の中、宿のロビーで登山弁当を受け取ります。
屋久島では、早朝出発の登山客のために、お宿や弁当屋さんが専用の「登山弁当」を用意してくれる文化があります。
竹の皮に包まれたおにぎりは、なんだか冒険に出るようなワクワク感を演出してくれます。
わたしは、屋久杉トレッキングツアーに申し込んでいたので、ツアーさんが宿までお迎えに来てもらいました。
他にも8人程度の方々が乗っており、「屋久杉自然館」へ向かいます。
そこから専用の登山バスに乗り換えて、登山口である「荒川登山口」を目指します。
バスの中は、これから挑戦する登山客たちの、静かな緊張感と高揚感で満ちていました。
トロッコ道、8kmのウォーミングアップ

5時半、荒川登山口に到着。
ここが屋久島登山のスタート地点です。
ヘッドランプを装着し、まだ薄暗い中トレッキング開始です。
最初の約8km(片道3時間ほど)は、かつて屋久杉を運搬するために使われていた「トロッコ道」を歩きます。

平坦なので歩きやすいですが、枕木の間隔が不規則なので足元には注意が必要。
夜が明けてくると、周囲の景色が少しずつ見えてきます。
深い霧に包まれた森は、まさに太古の記憶を留めているかのよう。
川のせせらぎ、鳥のさえずり、そして自分の足音。
ひとりだからこそ、五感がどんどん研ぎ澄まされていくのがわかります。
都会で抱えていた悩みや雑念が、一歩一歩進むごとに、森の空気に溶けて消えていくような感覚です。
歩いているだけで心が洗われる、贅沢な時間でした。
本格的な登山道へ
大株歩道の試練
トロッコ道の終着点「大株歩道入口」からは、いよいよ本格的な急勾配が始まります。
ここからは「歩く」というより「登る」という感覚です。
木の根が複雑に絡み合った天然の階段や、急な木製ステップを慎重に進みます。
標高が一気に上がるため、呼吸を整えながら自分のペースを守ることが大切です。
息が上がり、太ももが熱くなる。
それでも、見上げれば樹齢数百年、数千年の巨木たちが、静かに、でも圧倒的な力強さで立っています。
その生命力に触れるたび、「私も頑張らなきゃ」と自然に足が動きました。
幸せを呼ぶハート
ウィルソン株
登り始めて1時間弱。
最初のハイライトである「ウィルソン株」に到着しました。
400年以上前に伐採されたという巨大な切り株。
中は空洞になっていて、10畳ほどの広さがあります。
ひんやりとした株の中は不思議と落ち着く空間です。
ここで絶対に外せないのが、株の中から空を見上げること。
特定の場所からカメラを構えると……。
「あ、本当にハートだ!」
思わず独り言が出てしまうほど、綺麗なハート型。

女子ひとり旅でここを訪れると恋愛運が上がるなんていう噂もありますが、そんなこと以上に、この過酷な環境の中で自然が作った奇跡の形に、ただただ心が温まりました。
縄文杉との対面
ウィルソン株を過ぎると、さらに「大王杉」「夫婦杉」といった個性豊かな巨木たちが次々と現れます。
標高が上がるにつれ、植生も変わり、苔の密度が一段と増していきます。
木々が語りかけてくるような、不思議な静寂に包まれます。
そして、歩き始めてから約5時間半。
ついに、その目的地が目の前に現れました。
「縄文杉」
展望デッキから眺めるその姿は、想像を絶する大きさでした。
ボコボコと力強く盛り上がった幹、四方に自由に伸びた太い枝。
推定樹齢3,000年とも7,000年とも言われるその老木は、もはや一つの生命体というより、森そのものを司る神様のようなオーラを放っています。
「ここまで来られた……」
達成感と、目の前の圧倒的な存在感に、目頭が熱くなりました。
周囲には他にも登山客がいますが、不思議と静かです。
皆、この数千年の重みに言葉を失い、ただ静かに向き合っている。
そんな特別な一体感がありました。

縄文杉の目の前で食べるお弁当は、格別の味。
冷めたご飯と少しのおかずが、どんな高級料理よりも贅沢に感じられる。
これこそが、自分の足で一歩ずつ辿り着いた人だけが味わえる、最高のご褒美です。
長い復路と達成感
感動を胸に、下山は来た道を5時間かけて戻ります。
膝が笑い始め、足裏の感覚もなくなってきましたが、心は信じられないほど晴れやかでした。
登山口に戻ってきたのは夕方16時。
往復約10時間、歩行距離約22km。
完走した証に、登山口の看板の前で自撮りを一枚。
そこには、出発前よりも少しだけ精悍な顔つきになった自分がいました。
この達成感は、これからの日常を生きる大きな自信になると確信しました。
Day3
屋久島の恵みを持ち帰る
最終日は、心地よい筋肉痛を労わりながら、ゆっくりと島のお土産を選びました。
屋久杉を使った工芸品の香り、島の塩、そして何より自分への一番のお土産は「やり遂げた」という強い自信です。
今回の旅で実感したのは、屋久島は決して「厳しいだけの山」ではないということ。
しっかりと準備を整え、森への敬意を持って一歩ずつ進めば、必ず森は優しく受け入れてくれます。
まとめ
屋久島への旅を計画しているあなたへ
「女子ひとりで屋久島なんて無謀かな?」と思っているなら、答えはNOです。
むしろ、誰にも気を使わず、自分の好きな場所で立ち止まり、森の呼吸を肌で感じられるひとり旅こそ、屋久島の本質に触れられるスタイルだと言えるでしょう。
太古の森で過ごした時間は、あなたの中にある何かを、きっと優しくリセットしてくれます。
都会の喧騒を離れ、本当の自分に戻る旅。
あなたも屋久島で、一生モノの感動を体験してみませんか?
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